孤独のFIRE

天涯孤独・社会的孤立状態のアラフィフ親父がFIREという名の無職を続ける記録

アメリカで「大引退時代」到来の報道

「大引退時代」の到来とは大航海時代や大海賊時代を思わせる何とも景気の良いキーワードですが、そもそもはコロナショック時の大量解雇を指すネガティブなニュアンスの言葉のようです。

www.bloomberg.co.jp

記事中のグラフに書かれているexcess retirees(過剰退職者)というのは耳慣れない表現ですが、人口動態から予測される退職者数より多くの人が退職している=働こうと思えば働けるけどアーリーリタイアを選んでいるという話だそう。

記事によればコロナ禍で退職する人が一気に増えた後は減少傾向にあったのが、ここに来てまた跳ね上がり、原因としては金融市場のパフォーマンスやインフレ率の鈍化があるのではないかという分析です。

 

ちなみにこの記事を知ったのは元日経記者である磯野直之氏のツイートなのですが、この磯野氏も前に紹介した米山隆一氏と同じく「正統派」の経済学に通じている方なので、アカウントをフォローしておくと良い事があるかもしれません。

 

実際日米の差というのはどれくらいあるのか。ブルームバーグの記事から引用すると『65歳以上の労働参加率はコロナ禍後、平均19.1%で推移している。コロナ流行前の1年は20.2%で、現在よりも1ポイント余り高かった。』との事。

一方日本のお年寄りの就業率は、自分の調べた限りだと2022年の統計局の調査が一番新しいデータです。65歳以上だと25.2%、ただしグラフはほぼ右肩上がりなので今調査したらもっと上がっているかもしれません。

加えて日本の現状ではインフレを抑える事が難しく、このままずるずると上がり続ける可能性が高く、一気に悪性インフレに突入する可能性も十分ある。これも正統派の経済学に詳しい方をフォローしていれば予見できるかと思います。

www.stat.go.jp

 

関係ない話ですが、自分は日本アゲ全般に懐疑的な人間なんですが、たまに聞く「日本はトイレが衛生的だから良い国だ」という論調にも何だかなぁと思うんですよね。勿論自分も汚いよりは綺麗な方が好きですが、ちょっと想像して欲しいんです。

例えば皆さんが年老いて資産運用に失敗し、糊口をしのぐために働こうと思っても年齢制限で応募さえできない。そうした時に「駅のトイレ清掃 自給980円」という求人を見つけたら応募するか否か。

普通の人が言う分には全然良いんです。ただ労働力を提供していないリタイア民が「安いメシ最高!きれいなトイレ最高!」と言ってしまえば、それって結局「安い日本」を搾取している事にならないか・それは本当に持続可能なメリットなのかという疑問が、自分の中には常にある訳です。

個人的な印象ですが、ポジティブな言葉でフォロアーを煽るFIRE系インフルエンサーの中には、人口減少社会の一員である重みに無頓着な人が極僅かにいると感じます。日本はシルバーデモクラシーの国なので、「なんか見下されてんな」と高齢労働者の怒りを買えば必ずしっぺ返しが来ると考えた方が良いです。

 

ちなみに自分はインフルエンサーではありません。影響力もないですし、広告収入目当てに綺麗ごと書く位なら、愚痴や悪口を書いている方が良いです。広告ははてなブログを利用する上で必ず表示されるもので、自分には1円も入ってきませんのでご了承いただけると幸いです。