孤独のFIRE

天涯孤独・社会的孤立状態のアラフィフ親父がFIREという名の無職を続ける記録

新NISA1年目に贈る言葉

2024年は皆さんご存じの通り新NISAが始まる年です。何事もそうですが最初が一番難しい。長期保有してある程度含み益が乗ればそれがある種の保険となって、チャートの上下を余裕で見れるようになるのですが、そこに至るまでが難関な訳です。

2020年2月のコロナショック当時投資を始めていた方はご存じかと思いますが、当時の空気はこの世の終わりみたいな感じでした。そこそこ有名なユーチューバーも全降りしていましたし、回復局面になってもあらゆる人が二番底が来るぞ来るぞと煽っていた。

それを乗り越えた人は握力・下落耐性が身に付いている事と思いますが、それこそ生存バイアスというもので、今年から積み立てを始めた人が暴落を経験した時、どれだけの人が次の上昇まで耐えられるかというのは誰にも分からないような気がします。

 

これもご存じの方が多いかと思いますが、今月1日「ほったらかし投資術」の共著者である山崎元氏が亡くなられました。自分は正直同氏には否定的な人間でしたがここには書きませんし、インデックス投資のエッセンスを一般に伝えた功績は何物にも代えがたい。

同時に学問は一日にしてならずとも思う訳です。バイ&ホールドが大切と理屈では分かっていても、理論が血肉になっている人とそうでない人がいる。そしてその差はうまく行っている時でなくピンチの時にこそ明らかになる。

もし今年大きな暴落局面が来た時、古典的名著・例えば「敗者のゲーム」や「ウォール街のランダムウォーカー」を読んでいる人はホールドできるけど、「ほったらかし投資術」しか読んでない人の何割かは、全売却して投資を止めてしまうのではないかと思います。

 

なぜそう思うかと言うと、「ほったらかし投資術」の共著者である水瀬ケンイチ氏がしょっちゅう愚痴っているから。株が右肩上がりの時はちやほやしていた人が、暴落すると途端に手のひらを返してお前のせいだと罵詈雑言を浴びせてくると。

日本人の他責思考も大概だと思いますが、同時に山崎氏・水瀬氏がそこまでの読者層しか生み出せなかったという事でもあります。批判的に読み込む事もせず、結論部分だけつまみ食いして、命の次に大切なお金を他人に預ける人達が大勢いるという事です。

繰り返しになりますが、平易な言葉でインデックス投資の基礎を庶民に広めた両氏の功績は計り知れない。ただ結局はEasycome,Easygoなんです。投資理論を自分の中で腹落ちさせるのにも知識や経験がいる。

そして経験が生存バイアスであるというのは最初に述べた通り。獅子の子を千尋の谷に突き落とした所で、死んでしまっては元も子もない。なら残されたのは知識を身に着けるしかないというのが自分の考えです。

 

まぁそういう自分は「ウォール街のランダムウォーカー」は半分まで読んで挫折しましたし、コロナショックを耐えられたのも資金力に任せてナンピンを繰り返していたからなので、あまり偉そうな事を言えた柄ではないです。

せっかくアーリーリタイア達成して時間もあるので、もう一度最初から読んでみようかと思います。そしてジョージ・ソロスの名言「まず生き残れ。儲けるのはそれからだ」を引用しつつ、投資初心者様のご検討を祈りたいと思います。