孤独のFIRE

天涯孤独・社会的孤立状態のアラフィフ親父がFIREという名の無職を続ける記録

「靴磨きの少年」を笑う人を笑え

新NISAに関してはもう少しだけ話したい事があります。というのも投資家なら一度は聞いた事がある「靴磨きの少年」のエピソードを引用して、今からNISAするのは辞めた方がいいと言う人をSNSで数多く見かけるからです。

直接的に引用していない人でも、今から買っても高値掴みするだけだとか、本屋に新NISAの本が並んでいる時点で危ないとか。要は一般に広まった時点でもう高値、後は落ちるだけと考える人が少なからずいるようです。

 

「靴磨きの少年」の逸話は説明不要かと思いますが、1929年ジョセフ・P・ケネディが靴磨きの少年に株の銘柄を薦められ、悪い言い方をすれば底辺職の子供が株をする時点で天井だと考えて売り抜け、暴落を逃れたという話です。

確かにケネディの危機管理能力は大したものですが、まず大前提としてこの話が実話かどうかがはっきりしない。実はインサイダーから情報を得ていて、それを表立って言えないから本人がでっち上げた作り話という説もあるそうです。

togetter.com

 

それはさておき、自分はSNSで「靴磨きの少年」の話を持ち出す匿名アカとは極力関わらないようにしています。付け加えると人を見下すニュアンスで「大衆」という言葉を使う人間を信じない。何というかプライドの高さが鼻に付くんですよね。

自分は人と違うと思うのは個人の自由ですが、言わせてもらえばいやいや今の時代あなたみたいな人種が一番多いんですよという話です。聞きかじりの知識で知らない人にマウント取っては、何か成し遂げたかのように振る舞う人。

結局「大衆の裏をかけ」という発想自体が逆張りなんです。そして逆張り投資はウォーレン・バフェット並みの知識と資金力がなければ成功するのは難しい。その域まで達してないならあなたも大衆の側でしょというのが、偽らざる本音です。

 

逆に「総悲観は買い」という言葉も自分は好きではないんです。これも投資の格言としては有名で決して間違った事は言ってない。ただ同様に、SNSでやたらとこれを連呼する匿名アカとは個人的に距離を置きたいというだけ。

この理由はシンプルで、そういうあなたの発想が楽観じゃんと思う訳です。あなたみたいな人間が涙流してゲロ吐いて人生終わったと絶望しながら全降りする時、現金を貯めこんでいた機関投資家がこっそり買うんだよという話です。

これはコロナショックやリーマンショックを経験した人なら理解できるかと思います。誰も底値を読む事など出来なかったし、買い増せたのはほんの一握りの人間だったのではないか。上昇局面で売る方がまだ精神的には楽だろうと思います。

 

Xやユーチューブ等ネットだけで情報収集していると、どうしても目立ちたがり屋が目に付くのは仕方ない。積み立て投資は退屈なものなので、インフルエンサービジネスをやりたい人はどうしても派手な方に行きたがる。

ですので結論としては前回と同じになるのが申し訳ないのですが、ネットも悪くないけどインデックス投資の古典的名著と言われる書籍を一度手に取ってみては如何でしょうという話になります。

もちろんSNSアカウントが実名で、トレード履歴も公開した上でタイミング投資するのは全然有りですし、その上で利益を出せたなら負けを認めるしかない。ただ匿名アカなら投資手法がしくじっても、しれっと別アカを作って過去を消すだけですから。

 

市場に過熱感がある事は確かだし、暴落はいつか必ず来るものだけれども、それでも新NISA枠でインデックス投資の基本である長期・積立・分散を守り続ければ、利益の出る確率は十分あるというのが個人的な考えです。

自分も含めての話ですが初心者・凡人と思う人は順張りが基本。売買のタイミングを読めると思ってはいけないし、まして逆張りで稼ごうなどと思ってもいけない。どうしてもという方は十分な含み益が乗ってから余剰資金でやれば良い。

大切なのは暴落のタイミングを読む事ではなく、暴落が来て価格が半分になっても諦めがつく程度の額で始める事。ここら辺のリスク管理の話もたいていの専門書には出てくるのではないかと思います。