ちょっと前にX(旧ツイッター)で小倉優子がトレンドに入っていました。何でも新NISAを否定する発言をしたそうで、前回新NISAについて語った内容と被る部分もありますが、本文から引用しつつ個人的な意見を述べたいと思います。
まずこの「がっぽりNEWS」という番組のタイトル名が良くない。そもそもインデックス投資自体ががっぽり儲かるものではないので、番組タイトルだけみてここの薦める商品はちょっとなと思っても可笑しくない。番組の発言を引用すると、
NISAに関して、小倉は冒頭から「手を出していないです。国が推してるじゃないですか。国が推してるものにいいものがあるのかって。何が裏があるんじゃないか」と恐ろしく懐疑的なトークを展開。
自分は新NISAに肯定的な人間ですが、何事も批判的に見るのは悪い事ではないと思います。この人は大学にも受かっていますし、過去に投資雑誌で連載も持っていたそうで、決して頭の悪い人間ではないと思います。
裏と言われて自分の思いつく所だと、日本の年金制度は実質的に破綻状態にある一方、老後資金の不足を訴えた2019年の老後2000万円問題が大炎上した事もあり、鞭でなくアメという形で同じことを警告しているのではないか。
あとは「貯蓄から投資へ」というスローガンもある通り、日本の金融資産の多くが現金のまま死蔵されており、日本経済が八方塞がりの状態の中で、投資によって個人の懐が潤い消費が増える事を期待しているのではないか。
あとこれは穿った見方かもしれませんが、中央銀行が大量のリスク資産を保有するという世界的に稀な禁じ手を犯してしまった為、出口として日銀保有のETFを売り抜ける為に、個人のお金で株価を挙げてもらう必要があるのではないか。
これも可能性としては低いですが、資産課税を実現するためタンス預金を一度吐き出す必要があるのか(今年の新札発行は旧紙幣も使えると聞いているので、タンス預金がどれだけ市場に出回るかは微妙と考えます)。他にもあればぜひ教えて下さい。
「エステ行ってて終わったら、リーマン・ショックですごい株が暴落してた」と明かし、手を上から下までズドンと落とし「痛い目にあいました」と告白(略)長期保有について「すぐ怖くて売りたくなる。1回下がっちゃうと上がらないんじゃないかって気持ちになって」と語った。
これはまぁ批判する気にはなれませんね。投資初心者なら当然の真理です。前にも書きましたがコロナショックでは登録者数万人いるそこそこ有名なユーチューバーでも、何だかんだ理屈つけて全降りしてましたから。その後しれっと復帰していますが。
チャートを後から見て「いや暴落しても必ず上がってんじゃん」と言うのは簡単なんです。結果が出てから過去を裁くのは誰でも出来る。ただ暴落の真っただ中にいてなおホールドし続けるというのは誰にも出来る事ではない。
ただ彼女がリーマンショックが起きた2008年当時保有していた銘柄が何なのか、検索してもいまいち分からない。唯一分かったのはFX(為替取引)もやっていたそうで、そっちの損失とごっちゃにして語っている可能性はあると思いました。
繰り返しになりますが、疑う事自体は悪くない。一方で投資の世界には「国策には逆らうな」という格言もあります。最初に書いた意図、つまり新NISAが形を変えた老後2000万円問題だった場合、投資していない人には悲惨な老後生活が待っている。
結局のところは自己責任・自己判断という投資の世界でよくある話になってしまうかと思うのですが、まぁ芸能人は幾らでも稼げる職業ですので、リスクを取ってリターンを得る必要がないと判断したならそれもありなんじゃないかと思いました。