孤独のFIRE

天涯孤独・社会的孤立状態のアラフィフ親父がFIREという名の無職を続ける記録

FIRE批判もパターン化してきたという話

またFIREに対する否定的な記事を見かけました。タイトル違いですが前後編となっており、同じ人物による記事です。筆者の肩書は元外資系証券マネージングディレクター、ウイスキーオンラインショップ「コマスピ」代表との事。

26年外資勤務「FIRE=幸せ」と限らない残酷な現実

「FIREでできた心の穴」埋めた驚きの"人生の決断"

 

正直言うと、論点として真新しい所は一つもないです。よくあるFIRE批判のパターンかなという印象しかありませんでした。この冒頭部分だけであまり読む気にならないというのは自分だけでしょうか。

「FIREした」というと羨ましがられることも多い。だが実は、FIREと引き換えに、「人間にとって大事なもの」を失うということに気づいている人は多くないのではないか。

 

その大事なものとは、「社会とのつながり」だ。

よくあるお説教である上に、これに気付いている人は多くない=気づいている俺スゲー自慢がまず痛い。大事なものなど人それぞれ。正直ほとんどの人は自分なりの答えを見つけてFIREに挑んでいるのではないでしょうか。

最初で打ちのめされつつ我慢して続きを読んでみましたが、途中でグラフと共に説明されるFIREとインフレの関係もあれ?と思いました。インフレがFIREの敵であるのは否定しませんが、何だかすっきりしない。

仮に毎月20万円あれば自分は生きていかれる(略)その場合、最低9600万円ればFIREが可能だ(毎月20万円の480カ月分)。それが「物価が年率1%の割合で継続的に上昇する」(略)と、FIREに必要な金額はおよそ2000万円増の1億1800万円となる。

この文章のどこがおかしいかというと、FIREの基本である資産運用で増えた分を使うという所が分かってないんですね。現金を取り崩すのはFIREではない。物価変動だけでなく資産運用にも複利効果はある事を考慮せずに、不安を煽っている気がします。

途中で資産が減るのが辛いという話になるのですが、ここでも「預金通帳」と書いている所を見ると、現金取り崩しを念頭に置いているような気がします。もちろんインデックスの取り崩しにも心理的抵抗はあると思いますが。

実際に体験してみて思い知ったのは、「お金が減っていく痛みのほうが、同額のお金を稼いだときのうれしさよりもより強く感じられる」ということだ。

 

預金通帳を見るたびに、働いている間に積み上げたお金が少しずつ減っていくのを確認する、という行為はメンタルに思った以上のダメージを与えるのだ。 

ちなみに自分の手法はインデックス+高配当なのでそこまでストレスを感じた事はありません。インデックス投資でも最近は多くのネット証券で自動売却に対応しており、感覚的にはインカムゲインと変わらないと思うのですが如何でしょうか。

 

文章の最後は筆者の肩書でもあるウィスキーのオンラインショップの起業話にかこつけて、FIRE生活を捨てた俺カッケー・社会に必要とされる俺カッケー自慢で終わる訳です。これは本当にうんざりします。

あとものすごく基本的な事を言うと、文章中に強調の太文字が異常に多いです。太文字は要点にだけ使うもので、ここまで多いと読みづらいだけ。これは編集が悪いのかもしれませんが、筆者がやっていたとしたらちょっとなぁと思いました。