孤独のFIRE

天涯孤独・社会的孤立状態のアラフィフ親父がFIREという名の無職を続ける記録

FIRE願望とインフレ圧力

みずほリサーチ&テクノロジーが出したレポートが話題になっています。

togetter.com

レポートの詳細とX(旧ツイッター)上の反応はトゥギャッターを参照して頂くとして、当該レポート冒頭の要約部分を引用します。

非婚化を背景に単身世帯が増加している。遺産動機や子育て費用のない未婚単身者はそれほど多くのカネを稼ぐ必要がないため、労働市場からの離脱が比較的早い 

単身世帯化がFIRE願望と結びつく場合には、人口減少+高齢化による構造的な人手不足がさらに加速する要因となりうる 

こうした人手不足の加速は日本経済に構造的なインフレ圧力をもたらす可能性がある。単身世帯化(≒非婚化)の原因について、より踏み込んだ分析・議論が必要かもしれない

一つ一つの現象を捉えてみればそうでしょうねという感想しかないのですが、みずほグループという大手機関がレポートを出した影響は大きいというか、FIRE=社会のお荷物という好ましくない論調が今以上に広がる危険性も感じます。

レポート全体を見ればFIREは単身世帯が選ぶ選択肢の一つに過ぎず、また労働者不足は構造的な問題でFIREはその一要因に過ぎない事は分かります。また労働者の減少が賃金上昇の圧力になるという良い影響も指摘されています。

ただ上記記事にまとめられているX上のポストや記事のコメントを見る限り、FIREという比較的新しい生き方を選択した人達が、これから日本が迎える不可避な困難のスケープゴートにされる可能性は決して少なくないとも思います。

よくある言い訳で「FIRE済の人は一般サラリーマンの平均以上の額を既に納税している」という人がいますが、納税は経済にまつわる様々な要素の一部に過ぎない以上、そうした理屈にどれだけの庶民が納得するかというのは自分は懐疑的です。

ここはFIRE民・投資家のエコーチェンバーの中で理論武装してお終いではなく、日本という斜陽の国におけるFIREの意義を考える時期に来ているし、それが難しいなら事態が深刻化する前に海外移住するしかないのではと考えます。